共に生きる?そんな選択肢は無いね

今日は朝から出勤だったので、8時頃に目覚める。
朝がやたら苦手な私だが、どういうわけか今朝は気分が良い。
いつもならボンヤリと一時間程通常時に輪をかけたくらい何も出来ないが、
今日は呼吸と食事をする事が出来た。
まあ、理由は簡単だ。
生まれたての赤ん坊が必死に生へとしがみつくように深呼吸してみる。
吐く息が白い、家に中なのに、だ。
この尋常じゃない寒さに、悪寒と戦慄が背後を掠める。
窓を開ける、するとそこは、


顔面銀世界、違った、全面銀世界。


ここは本当に奈良県ですか?
雪だるま何個作れるんだ、なんて馬鹿な考えが脳裏に浮かぶ。
何処ぞの小説の主人公みたく、その世界に足を踏み入れてみたかったが、
あいにく寒いのは好きではないのでやめておいた。
窓から見える道路の雪は、既に車が走った後なのだろう、
ドロドロに黒くなっており、
40代のオバハンが言う「あの頃も私は…」という昔話くらい、
綺麗で尊かったであろう風景を想像することは出来ない。
だが、我が家が所有しているものすっごい小さな庭の雪は、
まだまだそこに健在していた。


小さい頃、まだ髪の毛がフッサフサだった頃、
雪を見る毎にはしゃいだ、はずだ。
今となっては雪なんて煩わしいだけなのだ。
コンコンとこの世を必死になって変えようとする救世主のような雪に対して、
私はただ「でっけーホコリみたいだ」なんて全く趣の無いことを考えてしまう。


俺も昔を振り返るような歳になったんだなァ、
なんて一向に収まらない吹出物の多い顔に微笑を浮かべて顔を洗った。




結局バイト先から連絡があって、
午前の出勤は無くなったのです。
午後は17時から。
そう思うと何もする気が起きず、16時まで寝とおす事に。
ここまで何もやってないと、まるで罪人のような気分になる。


さて、明日は髪の毛を切ろうと思う。
伸びすぎだ、うざったい。
でも切るのも悲しいのだ。
折角ここまで育ってくれた我が子を、
本当にバッサバッサと切ってしまってよいのだろうか、と。
仕方が無いので床屋で巻き散らかした髪の毛の一房を持ち帰り、
家で線香の一本でもあげたいと思う。