一般市民がマスクなど着用するな!

はらはらと舞い散る桜並木。
それはまるで異界の雪のようである。
びょう、と一陣の風が吹き、地面を覆い隠していた雪化粧を洗い流して往く。
ふと、誰かに呼ばれた気がした。
後ろを振り向くとそこには…


ためすけです、どうも。


晴れて大学へと入学することが出来たのだが、もう萎えているのでごぜーます。
勝手がわからないのは仕方がない、これは慣れだ。
だがしかし、この尋常ならざる忙しさはなんとかならないものだろうか。
今更ながら理系へと突き進んだことを後悔している。


さて、講義で気になるものがあった。
講義名「魔術(アルプス以南、以北)」
…なんだこれ。
メチャメチャ取りたいじゃないか!
というのも、私は「魔法」だとか「術」だとかいう類のものが大好きなのだ、ヲタっぽいと思われるだろうが。
こういう単語を聞くだけでインスピレーションが刺激され、モチベーションまでもがグッと上昇していく。


昔から魔術というのは一般庶民にも慣れ親しんだものだ。
何言ってんだ、コイツ、アレか?
と思われるかもしれないが、例えばてるてる坊主なんかも一種の魔術である。
うん、そうに違いない、適当に言ってみたが。
一度はしたことはあるだろう「ケンケンパ」も陰陽師が邪気を取り除く為に行う「反閇(へんばい)」と呼ばれる歩行法に酷似している。
ま、ちょっとした使えないトリビアだ。


色々言ったが、結局は取らなかった。
魔術よりも金が大事なのだ。
その日はさっさと家に帰ってバイトに勤しもうと思う。


明日から授業が始まる。
2限目は何も取っていないのでサークル見学でもしよかなー、とか思っているが、まあしねぇだろうなぁ…。